子どものワクチン接種は副反応のリスク大?効果や影響は…

新型コロナウイルスの子どもへの影響

12月現在、日本国内の新型コロナワクチン接種率は77.8%となっています。
世界でも上位の接種率で、20歳未満の接種率も71.8%とかなり高い割合です。

しかし、12歳~15歳の接種は大人の接種に比べて最近認められたため、接種における効果や副反応に関するデータはまだまだ少ないのが現状。
「ワクチンを打ってちゃんと効果が得られるのか」「副反応はどのくらいの割合で出るのか」「副反応の程度に効果はみあっているのか」など、自分の子どもが打つとなると不安が出てきますよね。

そこで、この記事では海外のデータ&日本のデータを用いて、新型コロナワクチンの子どもへのリスクと効果について解説しています。
ぜひ、子どものワクチン接種の判断材料にしてください。

新型コロナワクチン危険!?副反応は子どもの方が出やすい

子どもへのワクチン副反応
新型コロナワクチンの接種でまず気になるのは副反応だという人も少なくないはず。
大人の接種でも、多くの人がなにかしらの副反応を経験しており、特に2回目に症状が重く出ると言われています。

では、子どもの摂取ではどのような副反応がどのくらいの頻度・強さで出るのでしょうか。

現在出ているデータでは、1,131人を対象にしたファイザー製ワクチンの臨床試験データがあります。
16歳以上の副反応発現率と比較してみましょう。

【2回目接種後の副反応の発現割合】※()内は1回目接種後の割合

12~15歳 16歳以上
38度以上の発熱 20%(10%) 13%(2%)
注射部分の痛み 79%(86%) 72%(77%)
倦怠感 66%(60%) 55%(41%)
頭痛 65%(55%) 46%(34%)
悪寒 42%(28%) 29%(10%)
筋肉痛 32%(24%) 33%(18%)
関節痛 16%(10%) 20%(9%)
下痢 6%(8%) 9%(9%)
嘔吐 3%(3%) 1%(0.9%)

ほぼすべての項目において、12~15歳への副作用発現率が16歳以上の発現率を上回っていることがわかります。
大人よりも子どもの方が副反応が出やすいということですが、大きな差があるわけではありません。
症状は軽度~中等度であることが多く、発熱では解熱剤の投与でほとんどの子どもが数日以内に症状が治っています。

そのため、ワクチン接種での子どもの副反応は、大人に比べて発現率は高いものの、症状は軽く許容範囲であると言われています。

しかし、子どもは大人に比べて自分の症状を上手く説明できない、または症状を自覚しづらいため、接種をした後は大人が注意して子どもの症状を観察する必要があります
症状が我慢できない&長く続くようであれば、医療機関を受診しましょう。

男の子は心筋炎・心膜炎に注意!接種後は安静に

子どもの副反応で注意が必要な症状は、ニュースでも取り上げられていた心筋炎・心膜炎です。
1回目よりも2回目、高齢者よりも若者、女性よりも男性に多いとされています。

そのため男児は注意が必要です。
ワクチン接種後1週間ほどで、胸の痛みや息切れ、動悸といった症状が現れます。
これらの症状を確認したら心筋炎・心膜炎を疑いましょう。
しかし、心筋炎・心膜炎が起こっても症状は軽く、入院する必要はあるものの亡くなった人は現時点でいません。

接種後1週間は安静に過ごすように心がけましょう。

発症者0!子どもの方が新型コロナワクチンの恩恵を受けやすい?

子どもへのワクチン効果

ワクチンの副反応の発現率は、大人に比べて子どもの方が高い傾向にあります。
では、肝心の効果はどうなのでしょうか?

ワクチンは、副反応に比例して子どもへ高い効果が確認されています。

【2回目接種後の新型コロナ発症者数】

ワクチン接種 プラセボ
ファイザー製(12~15歳) 0/1,119人 18/1,110人
モデルナ製(12~17歳) 0/2,139人 4/1,042人

ファイザー製・モデルナ製ともに、プラセボに発症者が出たのに対し、ワクチンを接種した人で発症した人は0人でした。
ワクチンの効果は子どもでも十分に得られるのです。

流行当初は子どもは新型コロナにかかりにくいとされていましたが、全年齢に流行が見られ、家庭内クラスターが増えてきました。
現在は、年齢に関係なく新型コロナに感染するため、子どももワクチンを接種することで、同居している高齢者の感染リスクの軽減&安全な生活が得られます。

新型コロナワクチンの接種で気をつけるべきこと4選

子どもの接種で親ができること

子どもがワクチンの接種を受ける場合、気をつけてほしいことが4つあります。

1)子どもが接種できるのはファイザー製と武田/モデルナ製の2種類のみ
2)副反応を考慮して学校の休みの前日に打つ
3)満12歳~15歳以下は必ず保護者が同伴する
4)保護者&主治医&関わりのある大人で情報共有をする

1)子どもが接種できるのはファイザー製と武田/モデルナ製の2種類のみ
現在、日本で承認されているワクチンは、ファイザー製・武田/モデルナ製・アストラゼネカ製の3種類です。
しかし、子どもが受けられるワクチンはファイザー製と武田/モデル製のみ。
アストラゼネカ製のワクチンは40歳未満が接種してしまうと血栓ができやすくなってしまいます。

2)副反応を考慮して学校の休みの前日に打つ
上記でも説明したように、子どもは大人に比べて副反応が出やすくなっています。
ワクチンを接種した翌日に症状が見られやすいため、休みの前日に打つよう配慮しましょう。

3)満12歳~15歳以下は必ず保護者が同伴する
副反応は早い人で打った直後に出ることもあります。
副反応や安全を考慮して、満12歳~15歳以下の子どもがワクチンを接種する場合、必ず保護者の同伴が必要なのです。

4)保護者&主治医&関わりのある大人で情報共有をする
子どもは副反応が出やすいく、また自分の症状を主張できないことがあります。
保護者はもちろんのこと、主治医や学校の先生、児童館の先生など、子どもに関わりのある大人に接種をしたという情報を共有してみんなで様子を見てあげましょう。

子どもと一緒に新型コロナワクチンのメリット・デメリットを理解しよう

子どもの新型コロナワクチン接種の割合は高く、接種した方がいいといった意見も多くあります。
接種にあたりメリットとデメリットがありそれらの兼ね合いや現在の状況を鑑みると、やはり接種をした方がいいと考えるかもしれません。

しかし、最重要視すべきは子どもの意思です。
本人と保護者でワクチン接種のメリット・デメリットを理解し、子どもが打ちたければ打つ、打ちたくなけれ打たないといった選択肢を取りましょう。
接種してもしなくても、引き続きマスクや手洗いうがいといった基本的な感染対策は行ってください。