ED治療薬の種類と効果、それぞれの特徴・費用などについて

薬

ED(勃起不全)という言葉を耳にしたことがある方も数多くいらっしゃるでしょう。

EDとは「満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できない状態が持続または再発すること」と定義されており、日本においての有病率は60代において60%とも言われています。

現在国内ではED治療薬として3種類が認可されています。

ではここから、ED治療薬のそれぞれの特徴や持続時間などについて説明していきましょう。

 

ED患者に処方されるED治療薬・ジェネリックの種類

先ほど述べたように、現在国内でED治療薬として処方を受けることが出来る薬はバイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類があります。これらは日本国内だけでなく、海外でも広く有効性と安全性が確認されています。

それぞれ薬としての成分は異なりますが、ED治療薬としてのメカニズムは同じで「PDE5(ホスホジエステラーゼ5)阻害薬」と呼ばれます。

簡単にED治療薬のメカニズムを知っておきましょう。

PDE5とは海綿体に多く存在する酵素のことで、勃起状態を引き起こすために重要な働きをするサイクリックGMPを分解する働きをします。PDE5が活発になりすぎることで勃起機能の障害となるためPDE5阻害薬でこの酵素を抑制します。サイクリックGMPが増えることで血行が良くなり、勃起のメカニズムを正常化する事が出来ます。

ではそれぞれの薬の特徴や成分、効果持続時間、費用の相場を紹介します。

 

バイアグラ

バイアグラ

成分名シルデナフィルクエン酸塩

日本でED治療薬として最初に承認された薬です。歴史が長いことから、知名度もNO.1と言えます。ジェネリック医薬品も販売されているので、水なしで服用できるタイプが選べたり、価格も他に比べて安く手に入れることが可能になっています。

服用後30分~1時間程度で効果が現れ始め、4~5時間持続します。効果が最も高い時間は服用から1時間程度なので、性行為を行う1時間ほど前に服用するのがベストです。

バイアグラには25mgと50mgの2つの規格が存在します。1錠あたり25mg錠は1300円程度、50mg錠は1500円程度が相場です。

 

レビトラ

レビトラ

成分名塩酸バルデナフィル水和物

レビトラはバイアグラの次に登場したED治療薬です。水に溶けやすい性質を持ち、即効性が高いのが特徴です。また、持続時間もバイアグラより長くなっています。現時点では国内で承認されたレビトラのジェネリック医薬品は販売されていません。

薬を飲んでから30分程度で効果が出始め、効果のピークは服用してから45分程度です。服用から5~10時間程度効果が持続します。

レビトラには10mgと20mgの2つの規格が存在します。1錠あたりの価格は10mg錠は1500円程度、20mg錠は1800円程度です。

 

シアリス

シアリス

成分名タダラフィル

最も新しく発売されました。世界的にNo.1シェアを誇るED治療薬です。特徴として、3つの薬のうち最も長い時間効果が続くことがあげられます。2020年3月よりジェネリック医薬品の販売も始まりました。

薬を服用してから1時間程度で効果が出始めます。効果がもっとも高くなるタイミングには個人差がありますが、60分~4時間です。3時間程度あれば、ほとんどの場合でピークを迎えることがわかっているため、性行為を行う3時間ほど前に服用するのがベストタイミングと言えます。

効果の持続は24時間~36時間と他の2種類に比べて、かなり長い時間作用しています。

シアリスには10mgと20mgの2つの規格が存在します。1錠あたりの価格として10mg錠は1500円程度、20mg錠は1800円程度が相場です。

 

ED治療薬の種類によって服用方法は違う?

治療薬の種類によって、服用方法に大きな違いはありません。いずれの薬も1日1回、24時間以上の間隔をあけて服用するよう決められています。飲むタイミングや、一緒に飲んではいけない薬など、注意するべき点も含めて見ていきましょう。

 

正しいED治療薬の服用方法

服用のタイミングとして、基本的には空腹時が推奨されています。

食事の影響に関してはそれぞれ差があります。特にバイアグラは食事の影響を受けやすく、食後に服用することで薬の吸収が遅れ、効果の低下がみられることがあります。レビトラは普通食であれば影響しないと言われていますが、揚げ物やマヨネーズ、ナッツ類などを含む高脂肪食を食べた後に服用することで、効果が低下したとの報告があります。

シアリスに関しては、食事の影響は受けないとされています。

アルコールについては、薬に対する影響は認められていません。少量であればアルコールのもたらすリラックス効果によってEDの改善に効果的であるとも言われています。ただし、大量に摂取した場合、脳の性中枢が抑制されて性的興奮自体が収まってしまうことがあります。

 

ED治療薬を服用するときの注意点

ED治療薬には併用禁忌薬といって、一緒に服用することが出来ない薬が存在します。

同時に服用することで、急激に血圧が下がるなどの重大な副作用が出る可能性があるため、ED治療薬の処方を受ける際には必ず現在自分が服用している薬を医師に伝えてください。

以下のような薬が併用禁忌薬に該当します。

 

バイアグラ:塩酸アミオダロン製剤、硝酸剤、慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬

レビトラ:硝酸剤、HIV治療薬、内服の抗真菌薬、抗不整脈薬、慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬

シアリス:硝酸剤、慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬

 

またグレープフルーツジュースと一緒に服用すると、薬が効きすぎたり思いもよらない作用が出ることがあるため、避けることが必要です。特にレビトラは影響を受けやすい薬です。グレープフルーツジュースが薬の吸収に与える影響は24時間以上続くことがわかっています。

あらかじめED治療薬を服用することが分かっている時はグレープフルーツジュースを飲むのはやめておきましょう。

血圧に異常のある方、重い肝機能障害のある方、心血管系障害のある方など、ED治療薬の服用に適していない方もいます。

 

まとめ

EDはとてもデリケートな悩みです。現在は治療薬も開発され、スタッフが男性のみなど受診しやすい医療機関も増えています。一度クリニックなどで相談されてはいかがでしょうか。